受験生、現役高校生のみなさん。
特に、受験生の方は「大学入学共通テスト」に向けて準備中、あるいは試験後だと思います。
さて、模擬試験や、受験後に行われるリサーチで必ず見かけるのが偏差値。
みなさんは偏差値の意味と、正しい見方を知っているでしょうか?
大学に合格かするかの判定に使われるのでしょ?
その通りなのですが、もう少し掘り下げて結論を言うと、「偏差値で受験生同士の順位の目安」がわかります。
「目安」っていうのが気になる
と思った人はするどいですよ。
そうです。「実際の順位」ではありません。
「あくまでも」目安です。
なので、出願先を決める際は、偏差値で決めないでください。
「リサーチで何位だった生徒が昨年は合格しているか(何位であれば合格できるか)?」
ということを、予備校や高校の先生に聞けるなら必ず聞いてください。
※センターリサーチ = 予備校がセンター本試終了後に行う集計。管理人は、社会人だから、その時とは違うかも。今の表記に読み替えてください。
ご自身の順位は、予備校が行うリサーチの結果に書いてあるはずです。
(とくに河●塾はひよこSE(@PiyoOct)の記憶だと30万人くらいいるから信頼できる)
これから偏差値の正しい見方(ついでに、計算方法も)について、一つずつ解説していきますね!
※本記事は、受験生を脅すのが目的ではありません。
例えば、「偏差値60の大学を受験した。偏差値65あったのに…」
という残念な結果になる受験生を一人でも多く減らすことが目的です。
表現等、不愉快に感じた方がいましたら、ご指摘ください。
偏差値の正しい見方は、順位の目安として見ること
偏差値の見方ですが、おおよその順位が分かります。
くどいようですが、偏差値は、実際の順位はわからず、順位の目安が分かるにすぎません。
(偏差値と割合(上位何パーセントか)の変換表より筆者作成)
さらにやっかいなのが、偏差値を順位の目安として使えるには、前提条件があります。
偏差値の見方で、順位の目安として使える前提条件
その前提条件って?
下の2つです!
- 受験者数が十分にいること(1,000人くらいいれば十分)
- 得点の分布が、正規分布(きれいな左右対称の山型)に近いこと
受験者数
受験者数については、2020年度のセンター試験の場合は、「526,701人」(独立行政法人大学入試センターより引用)いるので、1,000人を余裕で上回っています。
問題ありません。
得点の分布
センター試験の場合は、比較的きれいな山型の分布が多いので
- 難しかったり
- 簡単すぎたり
- 奇問が多い
というものでなければ、問題ありません。
基本的には、共通テストの偏差値は参考にできるけど、難しい教科が多かった年は注意!
偏差値を順位の目安としての見方ができない例
例えば、試験で
- 10点を取った生徒が1人
- 60点を取った生徒が1人
- 70点を取った生徒が1人
- 80点を取った生徒が2人
- 100点を取った生徒が1人
いたとします。
全員で6人、平均点は 66.7点です。
各生徒の偏差値は
- 10点を取った生徒 = 29.8
- 60点を取った生徒 = 47.6
- 70点を取った生徒 = 51.2
- 80点を取った生徒 = 54.7
- 100点を取った生徒 = 61.9
となります。(小数第二位を四捨五入)
ここで、注目してほしいのが、70点を取った生徒。
70点を取った生徒は偏差値は50を超えていますが順位は6人中の4位です。
半分より下の順位・・・。
人数が少なく、分布が正規分布でない場合はこのようなことが起こりえます。
これが本番だと仮定し、偏差値50の大学に出願したら、
偏差値上はボーダーでC判定以上だが、順位は4位であるため、厳しい
ことは容易に想像できると思います。
偏差値の正しい見方は、目安とすること。出願には使えない
さて、ここまで読んでくれた人は
偏差値は前提条件があるし、目安しかわからないなんて、正直使えないじゃん
と感じているかもしれません。
その通りです。実際の出願では使い物になりません。
だから、大手予備校のK塾も「偏差値はあくまでも学習の進捗の目安にしてね」的なことを、さらっと模試の結果の冊子に書いています。
なので、冒頭にも書きましたが
順位
で判断してくださいね。
偏差値の計算方法は?平均点と標準偏差を使う
いくら使えないといっても、偏差値が気になる人(好きな人?)もいると思うので。
偏差値の計算方法について解説します。
計算に必要なのは平均点と標準偏差
偏差値は
- 平均点
- 標準偏差
の2つが分かればよいです。
つまり、偏差値の計算方法は平均点をベースにしています。
<平均点>
全受験生の得点の平均を表す。
<標準偏差>
- 点数のばらつき度合いを表す
- 大きいほど出来、不出来の差も大きい
- 標準偏差が大きい試験は、高得点でも順位が意外と低いため油断できない
偏差値の計算式
偏差値の計算式は、下記のとおりです。
偏差値 = (自分の得点 – 平均点)× 10 / 標準偏差 + 50
※平均点と得点が同じ場合は、標準偏差にかかわらず偏差値50
2020年センター英語を例に計算
- 中間発表の平均点116.32点
- 標準偏差が42.64
である2020年度センター試験本試験の英語で、100点, 125点, 150点だった生徒の偏差値はそれぞれ、下記のようになります。
(小数第2位を四捨五入します)
100点の生徒の偏差値
偏差値 = (100 – 116.32) × 10 / 42.64 + 50
= -20 × 10 / 15 + 50
= 46.1
125点の生徒の偏差値
偏差値 = (100 – 116.32) × 42.64 / 15 + 50
= -20 × 10 / 15 + 50
= 52.0
150点の生徒の偏差値
偏差値 = (100 – 116.32) × 42.64 / 15 + 50
= -20 × 10 / 15 + 50
= 57.9
この式に当てはめれば、英語の偏差値を自分で出せますので、参考にしてください。
偏差値の正しい見方と計算方法についてまとめ
偏差値の見方ついて
- 実際の順位ではなく、目安しかわからない
- 偏差値を目安にできる場合
→「人数が1,000人以上いること」
→「正規分布(きれいな左右対称の山型)であること」
→センター試験は問題なし - 出願は、偏差値ではなく順位でする
ということを解説したうえで、偏差値の計算方法を解説しました。
偏差値 = (自分の得点 – 平均点)× 10 / 標準偏差 + 50
※平均点と得点が同じ場合は、標準偏差にかかわらず偏差値50
この話を聞いて、偏差値がボーダー以上の受験生は不安に感じたかもしれませんが。
ひよこSEは、結局は偏差値などではなく、最後まで頑張ったものが受験を制すると思っています。
高校の先生や予備校の先生と十分話し合って、最善の出願先を決めてほしい一心で記事にしました。
応援しています!最後まで決して油断せず、頑張ってください!
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