共通テスト数学Ⅰ・数学Aの問題3の場合の数と確率の解説です。2023年の場合は場合の数のみの出題です。
【問題文】2023年共通テスト数学IA(=画像の出典元)
割とくだけた文章で書いていくので、最低限の解説で理解できる人は予備校の解説(個人的には東●が一番スマート)を見てくださいね。それではいきます!
【目標点】数学が苦手な人:12点、数学が得意な人17点
※広告の下の目次が各々の問いのリンクになっています
【(1)の解説】図Bの球の塗り方の総数
【大前提】場合の数・確率の初見の問題は、記述通りにまずやってみる
場合の数・確率の初見の問題は、まず例を2~3ほど考えて記述通りにやってみることが肝心。少し読めば、順列や組み合わせを使わない=参考書にはない問題というのがわかるので、イメージを数分でつかむことが求められます。
・・・この「記述通り」が不親切だったり、長かったり、わかりづらいと平均点が恐ろしく下がるんですけどね(*´▽`*)。
ひもがつながってなければ、同じ色を使ってもOKという感覚をつかむ
さて本題。赤、青、黄、緑、紫の5色から1本のひもがつながっている状態で同じ色を使わなければ、「赤ー青ー赤」みたいな色の使い方もOKです。反対に、「赤ー赤ー青」みたいなのは同じ色が続いているのでダメです。
図Aで、球1の塗り方は5通り、球2の塗り方は4通り4、球3の塗り方は4通り=5×4×4=80だよと教えてくれていることからも、「赤ー青ー赤」はOKなんだな、同じ色はひもがつながってなければOKとイメージすることが大切。
図Bの球の塗り方の総数を求めるには、球4の塗り方がわかればOK。
「赤ー青ー赤-青」はOK。同様に、黄、緑、紫もOK。赤だけがNGです。
念押しでもう一つ。「赤ー青ー黄-赤」はOK。同様に、青、緑、紫もOK。黄だけがNGです。
球4の塗り方は、球3で使用した1色だけがNGになるので、4通りとわかります。
したがって、求める総数は、5×4×4×4=320通りとなります。
確率や場合の数が得意でないなら、最初はこれくらい回りくどくやってもいいと思います!
順列っぽく5×4×4×3=240、みたくやったら泣くに泣けない・・・
【(2)の解説】図Cの球の塗り方の総数
(2)から引っかからないようにしてください。やはり例をいくつか考えてやってみるほうがいいです。
- 【OKな場合】球1:赤、球2:青、球3:黄
- 【NGな場合】球1:赤、球2:青、球3:赤(球1と球3がひもでつながっている)
- 【NGな場合】球1:赤、球2:青、球3:青(球2と球3がひもでつながっている)
球1と球2がNGになる例は省いていますが、球3がNGになる場合が2つあることに注意。ということは、球3の塗り方は、球1と球2で使った2色以外の3通り。
焦って4通りってしないように!
したがって求める総数は、5×4×3=60通り。
【(3)の解説】図D(特定の色を2色使う場合)の球の塗り方
さて、赤をちょうど2回使う塗り方ときました。まずは、赤を軸に考えていきます。
【OKな場合】
赤 | (ほかの色) |
(ほかの色) | 赤 |
あるいは、この場合もOKです。
(ほかの色) | 赤 |
赤 | (ほかの色) |
赤色の塗り方は球1と球3、球2と球4の2通り。無論、赤色同士は区別できないので4通りにはなりません。
他の色は?というと、条件をしっかり思い出してくださいね。
赤色を球1と球3に塗ったときの残りは球2と球4、赤色を球2と球4に塗ったときの残りは球1と球3です。どちらも、ひもがつながっていないので、残り2つの球の塗り方について赤色以外なら同じ色が使用できる=それぞれ4通りです。
ここも(2)につられて、残り2つの球の塗り方について、うっかり「4通りと3通り」みたいにしないように注意。
(赤色の塗り方)×(残り2つそれぞれの球の塗り方)=2×4×4=32通りとなります。
【(4)の解説】図Eの球の塗り方の総数(突然出てくる組み合わせ)
さて、図Eでは一転して、部分的に教科書的な問題になります。ネタ切れだったのかな。唯一組み合わせを使います。
(1)~(3)で慣れてきていると思いますが、ここでも、やってみて法則を見つけましょう。
◆OKな例
黄 | ||||
赤 | 赤 | 赤 | 青 | 青 |
球2~球6は、ひもがつながっていないので同じ色が並んでいようが問題なしです!
◆NGな例(球1と球2、球1と球3がつながっている)
赤 | ||||
赤 | 赤 | 黄 | 青 | 青 |
◆NGな例(球1と球6がつながっている)
青 | ||||
赤 | 赤 | 赤 | 黄 | 青 |
赤は3回、青は2回使うので、球1にこの2色を持ってくると自動でNGです(必ず球2~球6とぶつかる)。このことに書き出して気付けるか?が勝負。同じことをもう一回書きますが、球2~球6は、同じ色が並んでいようが問題なし。
ということは、下記のように整理できます。
- 球1は赤と青以外の3色であること
- 球2~6は赤と青の並び替え(組み合わせ=同じ色が複数あるパターン)の問題
(球1の選び方)×(球2~6の並び替え=赤3つと青2つをならべる)=3×(5C3×2C2)=3×10=30
求める総数は、30通りとなる。
【(5)の解説】誘導の意味を考える
後半も誘導に乗って解いた人が正解できる
すんなり解けた人と、難しく考えてしまった人。(5)は差がつくポイントです。(1)~(4)はルールを理解し、落ちついて素直に解けば正解できると思います。そして後半も素直に誘導に乗るのが正解です。
限られた時間でこの判断をするのが本当に難しい・・・
「よくわからんけど、問題文がそう言ってるんだしそれでいいんじゃね?」とした人は、(6)を捨てたとしても17点をGETした可能性が高いです。
コ:球3と球4が同じ色になるのと同じのはどれか?
図Fで、なんかしらんけど、ひもがちぎれました 笑
それなら、図Bと同じじゃん!と突っ込みたくなりますが、問題文にわざわざ320通りと書いてあります。
ひもがちぎれた球3と球4は、同じ色が使えるので、その場合の数を求める問題。
(ほかの色) | 赤 |
(上とは別のほかの色) | 赤 |
となればOK。球3と球4以外のお隣同士は、ひもがつながっているので、同じ色を使ったらだめです。
最初に球3と球4の色を決める→残りの2つの球の色を決めるの流れで行けそうです。
求める総数は5×4×3=60通り。これは、図Cの60通りと同じなので②が正解です(つまりは、球3と球4が重なっているのと同じ状態。これに気付けないと(6)が解けない)。
・・・というか消去法と勘を駆使しても、当たっちゃいそうですね。少なくとも⓪・③・④は直感で弾けるレベル(※)なので実質2択。さらに、①は同色を使うにしては多くなりすぎそうですよね。これはサービス問題かも。
※⓪はひもが2本、③は問題文が図Dより図Fのほうが多いって言っている、④は図Fと比較するレベル
サシス:図Dの総数を求める
「流れで”コ”で求めた数を引けばいいんだろうなぁ~」って考えた人の勝ちです。理屈から導き出せた人も、努力の賜物です。
結論は、(図Fの総数)-(図Dの球3と球4が同じ場合)=320-60=260通りが答え。
下記のように、球1と球4、球1と球2、球2と3で同じ色が並ぶパターンを省いて図F(図B)で320通りと求めています。
①ー④
| |
②ー③
赤 | 赤 |
(しらん) | (しらん) |
①ー④
| |
②ー③
赤 | (しらん) |
赤 | (しらん) |
①ー④
| |
②ー③
(しらん) | (しらん) |
赤 | 赤 |
ということは、図F(=球3と球4がちぎれている状態)からさらに、球3と球4で同じ色が並ぶ場合を省いたら、結果的に、図Dと同じになるのでは?という仮説・考えがそのまま答えです。
本当に合っているのか?怪しいとは思いつつも、使える時間が15分もないので(単純計算で14分)、これで行くのが現実的です。
誘導を無視するとたぶん大変
逆に、誘導を無視して下の表のように考えて、5×4×4×4=320とした人(5×4×4×3=240となる人もいるかも)。
青(赤以外OK) | 赤 |
赤(青以外OK) | 青(赤以外OK) |
あれ?図Bと変わらない?絶対におかしいけど・・・
となった人は、時間を使ったと思います。実際、めんどくさそうです。
結果論ではありますが、答えの260を素因数分解すると、260=2×2×5×13に。13が何者か?わかりませんね。(1)~(3)の考え方が使えないのがわかります。
青ー赤
| |
球2ー青
は球2は4色から選べる
青ー赤
| |
球2ー黄
球2は3色から選ぶ
きちんと考えると、球1と球3が同じ色かどうかで、球2の選べる色の数が変わるので、場合分けすることになりそうです。(2)の三角形のときは、たまたま場合分けが不要(選べる色の数が常に一定)だったので普通に考えてOKでしたが、(5)の四角形からは誘導を無視しちゃうと難しいのがわかります。
【(6)の解説】球が5つになろうとも(5)と同じ要領で場合の数を出す
(5)で変に時間を使ってしまった人は、(6)は捨てるべきです。最悪は、サービス問題のコまでマークして次ですね。
ただ、勘のいい人なら、「球が5つになろうとも(5)と同じ要領で場合の数を出すんだよね?」ってなるはず。
つまりは、下記の流れでOKです。
- 球4と球5をちぎって、その塗り方の総数を出す(図Hをつくる)
- 図Hの球4と球5が同じ色の塗り方の総数を求める
- 図Hの塗り方の総数-図Hの球4と球5が同じ色の塗り方の総数
球4と球5をちぎって、その塗り方の総数を出す
面倒なので五角形ではなく、図Bのような感じで一直線にして考えます。これを図Hとします。
⑤ー①ー②ー③ー④
(図H)
球が4つの場合は図Bで求めているのと、球4の塗り方は、やはり図Bと同じやり方で求めればOK。
球4の塗り方は、球3で使用した1色だけがNGになるので、4通りとわかります。
(図Bの総数)×(球4の塗り方)=320×4=1280通りが図Hの塗り方の総数
図Hの球4と球5が同じ色の塗り方の総数を求める
(5)のコで、球4個の端を同じ色にする=球3個がつながっている状態とわかるので、まったく同じ発想を使います。
⑤ー①ー②ー③ー④
(図H)
↓
⑤ー①
| |
③ー②
球4と5を重ね合わせると、図Dと同じになるので、260通り。
(余談)図Dの場合は、「最初に球4と球5の色を決める→残りの3つの球の色を決める」の流れで計算して求めたらダメと教えてくれているので、ここも計算をしない。
まじめにやるなら、球2が球5と同じ色の場合、球2と球5の色が異なる場合で場合分けですね、、、。
図Hの塗り方の総数-図Hの球4と球5が同じ色の塗り方の総数
求める場合の数は、(図Hの塗り方の総数)-(図Hの球4と球5が同じ色の塗り方)の総数なので、
1280-260=1020通りとなります。
コメント