SE基本情報に出るIT用語

準委任契約とは?労働や作業に対してお金がもらえる契約のこと

準委任契約とは、「労働や作業に対してお金がもらえる契約」のことです。

例えば、大学生のAくんは講義に出るのが面倒なので、友人のBくんに「おい!お金は出すから代わりにレポート書いてくれ!」的なお願いをしたとします。

Bくんが「いいよ!」といえば契約の成立。

「代わりにレポートを書く」という行為に対してお金が発生するのが、準委任契約です。

準委任契約とは
準委任契約のポイント
  • 労働や作業に対してお金がもらえる(成果物の完成義務なしだが、善管注意義務はある
  • 自由に仕事を進めることができる(「指揮命令系統」は、自社・受注者。他社(発注者)は口出しできない)
  • 著作権は、成果物を作成した会社にある(B社が作ったならB社のもの)
スポンサーリンク

準委任契約とは、労働や作業に対してお金がもらえる契約のこと

準委任契約とは、「労働や作業に対してお金がもらえる契約」のことで、業務委託契約の1つ。

「委任」の文字通り、発注者が「委託」(お願い)して、受注者にお仕事が「任され」ます。

※「準」がつくのは、法律行為(登記の登録とか)ではないから。委任契約と準委任契約の違いは、「法律行為であるかどうか?」だけです。

冒頭の最後に書いた3つのポイントを再掲します。

準委任契約のポイント
  • 労働や作業に対してお金がもらえる(成果物の完成義務なしだが、善管注意義務はある
  • 自由に仕事を進めることができる(「指揮命令系統」は、自社・受注者。他社(発注者)は口出しできない)
  • 著作権は、成果物を作成した会社にある(B社が作ったならB社のもの)

具体的なポイントについて2つ目と3つ目は、大人の事情ありです(*´ω`)。

1.成果物の完成義務なし【ただし善管注意義務はある】

準委任契約の場合、発注者が受注者にお願いした行為自体に意味があります。

仮に、発注者が「やっぱ、このシステムいらんよ。開発中止ね」ってなったとしても。

「開発に費やした時間そのものが、消えることはないから、その分のお金は出してね」というのが、準委任契約の考え方です。

成果物の完成義務(納品義務)はない」的な言い方になりますが、くだけて言えば、「労働や作業に対してお金が発生する」ということになります。

冒頭の発注者Aくん、受注者Bくんのレポートの例でいえば。

Bくんがレポートを頑張って作っている途中に、「やっぱ、Cくんにお願いするから、書かなくていいよ!」と発注者のAくんが言っても。

Bくんは、「いやいや。それは、Aくん(発注者)の都合でしょ?書いた分のお金はちょうだいよ!」と言うことができます。

※成果物の完成義務はなくとも、善管注意義務(「ふつうに考えたら、わかるよね?」的なもの)があります。レポートの例だと、「単位が取れなかった」みたいな場合は、お金が発生しない可能性あり。「いいかげんに作業してもいい」というわけではないので、勘違いしないように!

2.指揮命令系統は自社・受注者

準委任契約の場合、「誰の指示で作業するか?」を表す、「指揮命令系統」は、自社・受注者自身にあります(建前上は)。

Bくん(受注者)は、「レポートを作る」という作業・ミッションがあるかわり、Aくん(発注者)に口出しされることなく仕事ができます(建前上は)。

5時間かけてレポートが完成したのであれば、5時間の作業に対してお金がもらえます。

まぁ、ただ、ITの世界では、お客様の見てるところで仕事するので、実質、はけn・・・ゴホゴホ。

おっと、ごめんなさい。ちょっと、ここいらまでにしておきます。

3.著作権は、成果物を作成した会社にあり

著作権は、成果物を作成した会社にありです。

レポートを書いたのが受注者のBくんであれば、著作権はBくんのもの。発注者のAくんでない点に注意してください。

あ、ちなみに、派遣契約では、成果物の著作権は派遣先(他社)にあります。

※派遣契約では、「発注者」という言い方はあまりしないですね・・・。「派遣元」(自分のいる会社)と「派遣先」(相手の会社、依頼者)みたいな言い方になります。

ただ、先に言ったように、準委任契約は、ITの世界では実質、はけn・・・ゴホゴホ。

スポンサーリンク

SESと準委任契約の違いは?【ほぼ同じ意味】

SESという単語をなんとなく見たことがある人もいるかもですね。

SESと準委任契約の違いについて簡単に触れておくと、どちらもほぼ同じです。

SESとは、「System Engineering Service」の略で、直訳すると「システム工学のサービス」です。

実際の意味は、「システムエンジニアの”技術力”というサービスを提供する」が近しいもの。

「”技術力”というサービスを提供する」
=「労働や作業に対してお金が発生」
=「準委任契約」とほぼ同じ(絶対ではないけど)

という結果になりますね(*´ω`)。

【余談】「準委任契約(SES)はやめとけ」という話になのか?

ネットをよく見る人だと、「ITエンジニアで、SES企業はやめとけ」みたいに書かれてるのを、見たことがある人もいるかもしれません。

SES、つまり、準委任契約はあまり深く語りすぎると・・・、のどの調子が悪くなります。

SESそのものが、いろんな意味で特殊なので、「SESは、やめとけ!」というのもわからんでもないですが。

エンジニアに求められるのは、「何ができるのか?」ということと、「作業単価がいくらであるか?」ということ。

【これも見てね】フリーランスエンジニアの単価(時給)の相場はいくら?年収1000万円は可能?

できる人であれば、50歳だろうと会社員だろうとフリーランスだろうと、それなりに稼いでます。

ITの世界では、SES(準委任契約)は、普通の契約形態。

ひよこSE(@PiyoOct)は、「こんなものか」くらいの感覚です(10年後はどうなってるか、わからんけど)。

どうしても気になるのであれば、IT業界に入ること自体やめておいた方が無難かもしれないですね。

基本情報技術者試験・応用情報技術者試験での準委任契約の出題例

基本情報技術者試験・応用情報技術者試験での準委任契約の出題例もまとめておきます。

わりとデリケートな話題ですが、準委任契約は頻出です(*´ω`)。

請負契約と準委任契約と派遣契約の違い

請負契約と準委任契約と派遣契約の違いについても、頻出なので書いておきます。

請負契約準委任契約派遣契約
成果物の完成義務×(善管注意義務はある)×(善管注意義務はある)
報酬成果物に対して労働(作業工数)に対して労働(作業工数)に対して
指揮命令系統自社自社派遣先(他社・発注者)
成果物の著作権
(ごくまれに出る)
自社自社(作成した会社)派遣先(他社・発注者)

まとめ

色々と訳ありですが、準委任契約ときたら、「労働や作業に対してお金がもらえる契約」のことです。

作業そのものに対してお金が発生。

受注者が自由に作業ができて、変なことをしない限りは、働いた分だけお金がもらえます。

もう一つついでに言うと、「SESといったら、ほぼ、準委任契約のことで大人の事情が絡む」くらいに思ってくださいまし(-_-;)。

スポンサーリンク

▼この記事がいいと思ったら、下の画像をクリックしてくれたら励みになります!

にほんブログ村 IT技術ブログ システムエンジニアへ

コメント

タイトルとURLをコピーしました