社会人で、自社開発のエンジニアとして転職したい。
スクールの転職先がSESばかりだしたら嫌だなぁ。
といった疑問を持つ人向けの記事です。
「プログラミングスクールの転職先はSESばかりなのか?」という質問に対する答えは、残念ながら「はい。9割はSESです」と言うのが答え。
自社開発の企業に行けるのは、1割程度といったところ。
「なんだ。SESばかりなのか。意味ないじゃん」と思った人は、もう少しお付き合いを。
ITエンジニアの世界では、SES(準委任契約)という契約形態は、ごくふつう。「SES=悪」ということ自体、必ずしも正しいとは言えないです。
フリーランスエンジニアであれば、なおのこと、SESエンジニアとして生活している人も多く、結局は「単価がいくらで、何円稼げるのか?」が肝心。
- 3,000円は当たり前というか、めちゃ低い
- 4,000円前後が、単価のボリュームゾーン
- 少しデキる人で、5,000円くらいは目指せる
5年間JavaエンジニアをやっているひよこSE(@PiyoOct)からしたら、「何がダメなのか?さっさとスクールを卒業するか、『わからないことだらけだけど、何でもやります!』って言って転職して、稼げるエンジニアになればいいだけじゃん」と思っちゃいます。
5秒診断 目的・予算別スクール選び
■現在の職業
大学生 社会人 フリーター・無職
■目的
転職支援 副業 教養・就活の準備
■受講期間
1か月 2か月 3か月 4か月~
■予算(円)
無料 10~20万 20~30万 30万~
■プログラミング言語
HTML・CSS・JavaScript
Java Python PHP Ruby
ネットワーク・インフラ
プログラミングスクールの就職先・転職先はSESが中心(9割程度)と言える
プログラミングスクールの転職先はSES(準委任契約)が中心と言えます(「ちがう」という回答を期待していたら、すみません)。
- 【1社目】テックキャンプ
- 【2社目】テックアカデミー
- 【3社目】コードキャンプ
有名どころ3社の転職先をチェックしてみます。
【1社目】テックキャンプ
1社目は、テックキャンプ。転職保証コースのQ&Aを見てみます。
Q SESやブラックな会社にばかり転職を勧められませんか?
テックキャンプ「よくあるご質問」より引用
特定の契約形態の企業ばかりご紹介するといったことはございません。
また、SESにネガティブな印象を受ける方もいらっしゃいますが、素晴らしいSES企業はたくさんあります。
テックキャンプが契約している企業に関しましては、SESに限らず労働環境が劣悪ではないか事前にしっかりと確認をしています※16。いわゆるブラックと呼ばれる企業は受講生の皆様に紹介しないように徹底しております。
あくまでもテックキャンプは、受講生の希望やキャリアパスに合わせた転職が実現するようサポートいたします。
しかし職歴や年齢によっては、ご希望に沿った職種への転職が難しいケースもございます(例:求人の母数が少ない自社開発企業の転職など)。そのようなケースの方へは、SESや受託開発の求人をご紹介する比率が高くなる可能性があります。予めご了承ください。
SES(準委任契約)について、「素晴らしい」は、変な言い方だなぁって思ったりもしますが 笑。
「ごく普通の企業もある」と言った方が正しいかもですね~
悪くない会社(しっかりとした単価を出してくれる)もあるのは、事実です。
ひよこSE自身、SESのJavaエンジニアだし。なんだかんだ5年続いてるし。
工数(プログラムを設計・製造・テストするのにかかる時間)見積もりも、やります。
もっと言えば、「プログラマーとしてゆるくやっていく」の記事に書いてるように、業務知識を事前に理論武装しないとやっていけない世界。
SESでも、それくらいは普通に求められるし、対価に見合ったお金は頂いているかと(あと1割くらい増えるともっと嬉しい 笑)。
2社目:テックアカデミー
2社目は、テックアカデミー。転職保証コースのQ&Aを見てみます。
Q エンジニア転職保証コースではどのような企業を紹介していますか
テックアカデミー「よくある質問」より引用
求人は日々変化いたしますので、一概に割合をお伝えすることはいたしかねますが、
SES企業、受託開発企業、自社開発企業ともに万遍なく用意しております。
傾向としてはSES企業、受託開発企業が少し多くなっております。
「少し多く」とありますね(*´ω`)。
ちなみに、転職保証コースの紹介では、リクルートとDeNAの関連会社の名前が出ているので。
タイミングがいいと、自社開発やってそうな転職先が見つかるかもです。
ただ、繰り返しますが、SESは「悪くない会社もあるのは、事実」。
なぜか「SES=悪」みたいに言われたりしますが、「【噂】IT業界のウソ・ホント【闇】」の記事にあるIT業界の雰囲気(とくに、「IT業界は人売りだ!奴隷商だ!」のくだり)におおむね同意です。
考えてみればどんな仕事でも労働力を対価にお金を得ているわけで特別に変というわけでもありません
「【噂】IT業界のウソ・ホント【闇】」より引用
むしろフワッとした人間性よりも、このスキルでこの単価!と言われたほうが分かりやすく、会社依存も低いというメリットも有ります
※SESで、imart(開発支援のプラットフォーム)とかSVF(帳票作成ツール)のような他社製品に乗っかる開発もわるくないけどね。のんびりと過ごせるし。 笑
3社目:コードキャンプ
コードキャンプの場合、転職支援は面接対策まで。
求人の紹介は行っておらず、自分で応募します。
ただ、推薦書は書いてくれるみたいなので、卒業生の就職先は、把握してるはず。
お問い合わせしてみるので、お待ちくださいませ(*´ω`*)。
SESのエンジニアも悪くない。単価といくら稼げるかが肝心
スクールの転職先がSESばかりならダメじゃん。
と思った人は待ってください。
SESのエンジニアになることが必ずしも悪いわけではないです。
SESはエンジニアの開発では普通の契約形態
そもそも、SESとは、準委任契約のことで、エンジニアの開発業務ではごく普通の契約形態です。
「準委任」とあるようにエンジニアに、お仕事を委任(お任せ)します。
お仕事した分だけ、お金がエンジニアに支払われる契約。
言い換えれば、時給だと思ったらいいです。
スキルが高いほど単価は高い
肝心なのは、「エンジニアに支払われる単価(時給)はいくらか?」ということ。
当然ながら、スキルが高い人ほど単価は高く。
プロジェクトのまとめ役的な存在(PM=プロジェクトマネージャー)のSESだと、フリーランスの求人を見てもかなりの高単価。
【関連記事】フリーランスSEの単価の相場はいくら?年収1000万円は可能なの?
マネージャーとまではいかなくても、「要件定義からシステムの本番稼働の立ち会いまで、全部やります!」的な、エンジニアの単価は、高いです。
▼冒頭の図の5,000円に近づく(あるいはそれ以上)
それなりの額を稼いじゃいます。SES(準委任契約)だろうと請負契約だろうと自社開発だろうと。
【関連記事】フリーランスエンジニアはあり?楽が目的ならやめとけが結論
運用保守やテストメインのSESだとつらい
ただ、「SES=悪」が当てはまる場合もあって。
スキルがなく、単価が低いSESのエンジニアは、待遇(たいぐう)が悪いです。
例えば、完成したシステムに問題が起きないかを監視する、運用・保守というお仕事があります。
運用・保守を担当するSESのエンジニアの単価は低め。
▼冒頭の図の3,000円に近づく(あるいはそれ以下)
システム開発するわけではなく、「今、動いているシステムに問題が発生しないか?」を監視するだけ(何もなければ、ヒマ)だし。
問題が起きた時に、プログラムを修正するエンジニアは、別にもう1人いるのが普通であり。
最低限のプログラミングの知識(原因を突き止める知識)があれば、なんとかなります。
あとは、開発中のシステムのテスト要員(単純作業の人員不足の場合)だと、やはり単価は低め。
テストは、単純作業ではないにせよ、やはり設計やプログラミングより難易度が低いので・・・。
単価の高いエンジニアも、テストと運用・保守はやります。ただ、テスターだったり、運用・保守「だけ」のような契約の場合は、単価が低くなります。
自社開発のエンジニアは、実は大変だったりする
単価うんぬんはどうでもいい!
時給ってことは派遣と変わらないから、やっぱSESは嫌だ!
と思った人もいるかもしれません。たしかに、SESと派遣は、時給ビジネスですね(*´ω`)。
自社開発は成果と技術力にめちゃくちゃシビア
ぼんやりとIT業界を志望している就活生向けに「IT企業がかっこいいのは本当か?結局は会社次第。他の仕事と大差ないよって話」と言う記事を書いています。
- 成果に対して非常にシビア・競争が激しい
- デキる人が優遇される(デキる人しか優遇されない)
- 下手したら、まったく稼げずに撤退することもあり得る
自社開発とSESを兼ねている企業は多い
自社開発をやり続けるのも簡単ではなく、リスクを分散させる企業も多いです。
■例
- SES:50%
- 自社開発:50%
「自社開発やってる企業に行くこと=SESを100%回避」とは残念ながら、ならないです。
でも、完全自社開発100%の求人もあるってよく聞くけど?
「完全自社開発100%」は、ひよこSEから見て「その会社独自の技術力があって一生食っていけるんだろうなぁ。ただ、入社するハードルは相当高そう」って感じがするので。
3か月なり6か月勉強したところで、そんな企業に転職できるとは思えないです(*´ω`)
プログラミングスクールの就職先や転職先で悩むより大切なこと
プログラミングスクールで転職先を少しでもよくするために、SESは嫌だという気持ちは分かるのですが、その前に大切なことがあります。
それは、スクールでしっかりと基礎を身につけること。
やるべきカリキュラムを消化してひとまずアプリが作れなければ、SES企業ですら、転職することができません。
スキルのない人のシステム開発案件はとれない
スキルのない人の単価は0円。早い話、システム開発案件をとることすらできない厳しい世界。
スキルのない人ってどんな人?
たんに意識の問題かと。
たとえば、スクールの課題をコピペして「ポートフォリオです!」(自分で作った作品)と言う人がいるとかいないとか。
ハッキリ言って論外です。
・・・嫌われ者のSES企業ですら、残念ながら、お引き取り願います(準委任契約も獲得できない)。
基礎を身に付けて学び続ける姿勢が必要
プログラミングを学ぶのは、プログラミングスクールでも、独学でもいいです。
大切なのは、しっかりとカリキュラムをこなして、基礎を身に付けること。
さらに言えば、スクールを卒業した後も学び続けてください。
学び続ければ、エンジニアになれるんだね?
それは、この場で言い切ることはできないです。
ただ、エンジニアに聞けば「未経験なら必要なことは学び続ける姿勢がないと厳しい」と返ってくるだけの話ですね(*´ω`)。
まとめ:スクールの転職先を考えるのは実力を付けてから
「プログラミングスクールの転職先は、SESばかり」なのか?
という質問の答えは、「はい」です。
そして、SES自体が悪いわけではなく、スキルのあるエンジニアであれば、悪くないです。
「転職先がSESばかりなのか?」を考える以前に、学ぶべきことを学び、しっかりと基礎を身に付けること。
エンジニアとして普通の単価をもらうためには、まずはプログラミングを学ぶことに専念してください。
基礎ができなければ、SESエンジニアの案件ですら、獲得することがムリです。
会社を自分で選べるような実力をつけること。転職後も勉強。
一人前になってから、自社開発している企業のエンジニアになるほうが、結果的に目的は達成しやすいです。
転職保証コースに通うなら、テックアカデミーかテックキャンプでよいかと(テックアカデミーのほうが安い)。
まずは目の前のことに専念しましょう。応援しています!
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