プロトタイピングモデルとは、試作品を作ってお客様に確認してもらってから本格的に開発する手法のことです。
きちんとした完成品ではないにせよ、「こんな風にしますが、いいですか?」とフィードバック(お尋ね)するので。
「完成品が思ってたのと違う!」みたいに、お客様との意識のズレが発生しづらいのが、プロトタイピングモデルの最大のメリット。
ただ、試作品とはいえ、お客様にお見せするので、いったんは作る(プログラミングをする)必要があります。
プログラミングするとなれば、それなりの時間(工数)がかかるので、目的とメリットをしっかりと理解した上でやるかを決める必要があるのが、プロトタイピングモデルという手法です。
プロトタイピングモデルは試作品を作ってから本格的にシステム開発
プロトタイピングモデルでは試作品を作ってから、本格的にシステム開発をします。
プロトタイピングモデルの開発手順
図にするとこんな感じ。
イラストを依頼するときにラフ絵を見せてもらえるイメージ
システム開発ではありませんが、イラストを依頼するときを例にすると。
「ラフ絵」を一度見せてくれるイラストレーターさんが大半(ラフ絵のさらに原本は、依頼者が出すかもだけど)だと思うので、そこで依頼者が納得できれば、本格的に仕上げていくイメージです。
- 「ひよこSEのつぶやきブログ」の”SE”の文字をかっこよくしてほしい
- ロゴの右下の本は、作業している感を出したいから広げててほしい
みたいに要望をだして、何回か修正してもらって、最後に仕上げるのをシステム開発でもやります。
プロトタイピングモデルの最大のメリットは、意識のズレをなくせる
プロトタイピングモデルの最大のメリットは、試作品を見てもらえるので、お客様との意識のズレをなくせること。
ウォーターフォールモデルの弱点である、手戻りが発生するとダメージが大きいという点をカバーしています。
プロトタイピングモデルを言い換えると、「要件定義(そもそもどんなものを作るのか?)に試作品を作るという過程を追加して、ズレを発生させないように工夫したウォーターフォールモデル」といえます。
プロトタイピングモデルは合理的に見えるけど、デメリットも大きい
お客様に触ってもらって、フィードバックがもらえるなら、かなり良さげじゃん!
と思った人もいるかもですが・・・。
たしかに、合理的で抜け目がなさそうに見えるけど、デメリットも大きいです。
プロトタイピングモデルのデメリット
【余談】プロトタイピングモデルもなかなかうまくいかない
ウォーターフォールモデルと同じように、プロトタイピングモデルもなかなかうまくいかないもんです(*´ω`)。
まず、試作品といってもお客様に見せるもの。適当なものをつくるわけにはいきません。
なので、優秀なエンジニアがいて、ある程度のレベルのものがサクッと短時間で作れることが前提です。
試作品に時間をかけすぎてもしょうがないので・・・
それに、実際にお客様に見せて「すんなり終わるか?」といえば、そういうわけでもなく・・・。
まだ試作品の段階だし、おねがいしたらやってくれるかも!
決定じゃないから、まだいいよね!
お客様の立場に立ってみればわかると思いますが、「やりたいこと」は、たくさんあるわけで。
大規模な開発になるほど、プロトタイプを作るのに時間がかかるし、お客さんは色々と言うし。
あれこれやってるうちに、収集がつかなくなって「結局、何の時間だったんだ?」となったまま、設計・プログラミングの工程に進んだ場面を、ひよこSEは経験済み(*´ω`)。
うまいこと区切りをつけるなり、コントロールをする必要があるのです。
まとめ
プロトタイピングモデルときたら、試作品を作ってお客様に確認してもらってから本格的に開発する手法のこと。
お客様からのフィードバックがもらえる分、認識のズレが発生しづらいのがメリット。
ウォーターフォールモデルを工夫した開発手法ともいえるけれども。
試作品を作る時間が必要だし、お客様からの要望を上手にコントロールしないと、大変なことになりかねないので、バランスをとる必要があるんだな~くらいに思ってくださいまし(-_-;)。
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