業務委託契約とは、「代わりに何かをやってもらう契約」のことです。
建前だけで言えば、「委託」という行為が発生するときは、専門技術的な何か(それこそ、プログラミングとか)をお願いするのが普通ですが。
あまり難しいことは考えず、「代わりに何かをやってもらうこと」と覚えておいた方が無難です。
例えば、大学生のAくんは講義に出るのが面倒なので、友人のBくんに「おい!お金は出すから代わりにレポート書いてくれ!」というのが、「委託」という行為。
「お金は出すから代わりにレポート書いてくれ!」を、実際のお仕事として契約するのが、「業務委託契約」です。
業務委託契約は大きく分けて請負契約・委任契約・準委任契約の3つ
業務委託契約とは、「代わりに何かをやってもらう契約」のことです。
「委託」といいましたが、大きく分けて3つ。
「業務委託契約」という大きな枠組みに、「請負契約」・「委任契約」・「準委任契約」の3つが、ぶら下がるイメージ。
※派遣契約(労働者を派遣先に送り込むこと)は、業務委託契約(業務をお願いすること)とイコールではないので注意。
「実際にどれを表すのか?」(言い換えると、委託の具体的な中身)は、実際の契約書の内容を読まないとわかりません。
単に「委託」と言われれば、「代わりにお願いすることなんだなぁ~」で十分です!
1.請負契約
請負契約は、「何かをお願いし、成果に対してお金を払うこと」です。
成果に対してお金を払うので、成果物の完成義務ありです。モノができなければ、お金は支払われません。
■イメージ
- レポートが完成した:5,000円
- システムが完成した:億単位の額(規模によるとしか言えない)
冒頭のレポートの例で言えば、Bくんは、Aくんに「おい!お金は出すから代わりにレポート書いてくれ!」と言われました。
請負契約の場合は、レポートを完成させてはじめて、Bくんはお金(報酬)を受け取ることができます(万が一、期限に間に合わなかったらゼロ円)。
2.委任契約
委任契約は、「法律行為の何かをお願いすること」です。
成果物の完成義務は、ありません。労働に対してお金が支払われます。
なので、なんかの法律行為について、働いた時間だけの報酬が発生します。
・・・ここからは余談ですが、「法律行為ってなんやねん( `ー´)ノ」ってなったと思います。
そうですね。
あまり基本情報技術者試験には関係ないですが、ぱっと思いついたのはこの2つ。
- 「不動産登記」を行政書士さんがする
- 「法人登記」を司法書士さんがする
※ひよこSEが、公務員を目指していたときの記憶で書いてるので、たぶん合ってる(*´ω`)
登記は、「この土地は、Aさんのものである」とか、「この会社は、Bさんが設立した」みたいな「権利の証明」といえば、なんとなく理解できるかと。
チラッと言いましたが、あまり基本情報技術者試験には関係ありません。詳しくは、ググってくださいまし。
話が逸れましたが、委任契約は、「法律行為を誰かにお願いすること」です。
そして、重要なのは、成果物の完成義務がない(登記が、できなくてもOK)ということです。
3.準委任契約
準委任契約は、「法律行為以外の何かを誰かにお願いすること」です。
委任契約が「法律行為」なのに対して、準委任契約は「法律行為以外の何か」です。
それこそ、冒頭の例のような「おい!お金は出すから代わりにレポート書いてくれ!」も当てはまります。
成果物の完成義務は、ありません。労働に対してお金が支払われます。
■イメージ
- レポートを書く時間:800円/1時間
- システムを作る時間:(エンジニアの作業単価)/1時間
労働に対してお金が支払われるので、「レポートお願いされて、最低成績の『可』だったよ~。でも、落第はしなかったから、レポートを5時間分書いたお金ちょうだいね」が通用します。
※委任・準委任では、「善管注意義務」(ふつうに考えたらわかるでしょ的なもの)さえ、守っていればよし(システムで言えば、エラーばかりで全くの使い物にならないとか、レポートで言えば落第したとかじゃなければOK)。
まとめると、準委任契約は、「法律行為以外の何かを誰かにお願いすること」です。
そして、重要なのは、成果物の完成義務がなく、労働に対してお金が発生する(レポートやシステムが、完成しなくてもOK)ということです。
まとめ
業務委託契約ときたら、「代わりに何かをやってもらう契約」のことだと思ってください。
「委託」という単語は、ざっくりしていて、大きく分けると3つあります。
基本情報技術者試験では、これらもついでに覚えておいてください。
コメント
委任と準委任、絵が逆じゃね?
ご指摘いただきありがとうございます。
業務委託契約の分類を説明している図が誤りだったため、修正しました。