モノカルチャー経済とは何ぞや?何がいけないの?
一言でいうなら、「1つの産業の1つのものに依存(いぞん)しすぎている状態」なのが、モノカルチャー経済。
単一経済って言ったりします!
この記事を書いているひよこSE(@PiyoOct)は、コーヒー大好き人間。
どうしてコーヒーが出てくるのかというと、コーヒーはモノカルチャー経済の典型例だからです。
というわけで、次のの3つについて順番に解説していきますね!
- モノカルチャー経済とは?
- モノカルチャー経済の問題点は?
- コーヒーとモノカルチャー経済の関係性
※教科書的な記載を求めている方は、こそっとお戻りくださいまし(-_-;)
モノカルチャー経済とは?1つのものに依存しすぎている状態!
そもそも、モノカルチャー経済って何?
って思っている人も多いと思うので、ウィキペディアを見ると、次のように書かれています。
1つの産業の1つのものに依存
モノカルチャー(英語: Monoculture)とは、直訳するとmono(単一)のculture(栽培/文化)であり、多くの場合、単一の農作物を生産する農業の形態を指す。そのような農業形態は単作(たんさく)とも呼ばれる。また、単一の産品や産業に依存した経済をモノカルチャー経済と言うことがある。
ウィキペディア「モノカルチャー」より引用
余談だけど、mono(単一)とculture(文化じゃなくて、栽培の意味)も、超頻出の英単語!
モノカルチャー経済を一言で言えば、「1つの産業の1つのものに依存しすぎている状態」のこと。
具体例
なんだかよくわからない・・・
みたいになっていると思うので、具体例を挙げます。
- お米(農業)
- 小麦粉(農業)
- サトウキビ(農業)
※【青のアンダーライン】もの(作物)、【赤のアンダーライン】産業
モノカルチャー経済というと、ほぼ農業のことを指します。
▼イメージ
モノカルチャー経済とは、「1つの産業の1つのものに依存しすぎている状態」と言いました。
なので、お米・小麦粉・サトウキビに例えるなら
- お米なら、お米だけ
- 小麦粉なら、小麦粉だけ
- サトウキビなら、サトウキビだけ
を作ってる状態を指します。
モノカルチャー経済の問題点は?
モノカルチャー経済って何がいけないの?
問題ありまくり!
モノカルチャー経済の問題点は、4つ。
- 1つのものに依存しているので、環境に左右されやすい
- 国全体の産業が成長しない
- 環境にやさしくない
- お金の面で、圧倒的に輸入国が有利になる
その1:1つのものに依存しているので、環境に左右されやすい
モノカルチャー経済の1つ目の問題点は、1つのものに依存しているので、環境に左右されやすいということ。
例えば、とある国でお米「だけ」を作っていたとします。
たまたま、大災害があって、凶作。ある年のお米の収穫量(しゅうかくりょう)がほぼゼロになってしまいました。
▼干ばつみたいな感じ
すると、お米以外はなにも作っていないので、その国は1円も稼げません。
食っていくお金もなければ、食べ物もないので、その国の経済は詰(つ)んでしまいます(;´∀`)。
日本史で出てくる「天保の大飢きん」は、まさにこれが原因!
その2:国全体の産業が成長しない
モノカルチャー経済の2つ目の問題点は、国全体の産業が成長しないこと。
産業が成長しないって?
そもそも、産業は大きく分けて3つ。
- 第一次産業:農業
- 第二次産業:工業
- 第三次産業:サービス産業
普通は、「第一次産業⇒第二次産業⇒第三次産業」のように。
言い換えれば、「食べ物を作って⇒生産を効率化して⇒モノだけじゃなく、売る方法(サービス)にも力を入れる」みたいに、経済が発展していきます。
日本も、サービス産業の比重は高い!
・・・が、「畑を耕(たがや)す以外のことは一切しない」となると、いつまでたっても産業は発展しないですよね。
つまり、産業のサイクルが、第一次産業の時点でストップしてしまいます。
ひたすら生産するだけ、「つくって終わり」になるので「貧しいまま」なのが問題なのです。
その3:環境にやさしくない
モノカルチャー経済という形態は、環境にもやさしくないです。
どう優しくないの?
当たり前のことを言いますが、農業をやるには、広大な土地が必要。
1つのものを生産することに依存しているので、とにかく数勝負。
数勝負なので、さらに利益を得ようと、作って作って作りまくろうとします。
農作物の生産量を増やすためには、土地を確保するしかない!
すると、下のようなサイクルになります。
- 農作物の生産量を増やそうとする
- 土地を増やすために開拓(森林伐採、しんりんばっさい)
- 増やした分の土地の寿命(じゅみょう)がいずれやってくる
- 土地の寿命がきて、また森林伐採
生産量を増やせば増やすほど、土地を多く使う。
土地がダメになったら、その分をさらに確保するために伐採を繰り返すので、ただの「倍々ゲーム」です。
その4:金銭面で、圧倒的に輸入国が有利になる
お金の面で輸入国が有利になるというのも、モノカルチャー経済では問題です。
どうして輸入国が有利なの?
モノカルチャー経済の国は、お米であれば、お米以外、あまり作っていません。
するとその国は、お米がいくらで売れたかによって、GDP(国内総生産)が決まります。
足元を見るかのごとく。
買う方(輸入国。先進国とか、先進国とか、先進国)が意地悪(いじわる)して、
安く売ってくれや。さもないと買ったらんぞ!
お前んとこ、米しか作ってないけどいいのかな?
みたいなことが起こってしまいます。
お米は、タイでもベトナムでも日本でも生産されていますからね(´▽`*)。
先進国からしたら、どこで買っても同じ。
それを盾(たて)にされます。
買う方からすれば、モノカルチャー経済になるような安い作物は、どの国から買ってもいいものなのです。
つまりは、買う側に決定権があるのが問題!
コーヒーとモノカルチャー経済の関係性
それじゃあ、コーヒーとモノカルチャー経済はどういう関係があるの?
コーヒーは、「コーヒーノキ」という木を植えて栽培する農作物のひとつ。
モノカルチャー経済の4つの問題点。そのまま当てはまります。
※主要生産国は、「コーヒー豆の種類はアラビカ種とロブスタ種。おすすめも紹介」という記事を見てください。
ちなみに、モカイルガチェフェというブランドを生産しているエチオピアは、まさにこの状態です。
エチオピアは、アフリカだよ~
※教科書的には、「ブラジル」って書いてあるかも。そこは、あわせてくださいね。
カフェとかのサービス業を始めたくても始められない
勘(かん)のいい人だったら、
え、待って!コーヒーを栽培してるなら、カフェとか開けば、解決するんじゃないの?
と考えた人もいるかもしれません。
- コーヒーを栽培して
- 現地でカフェを開いて
- いずれはカフェの経営をメイン
みたいにできるなら、さほど問題になりません。
・・・が、貧しい国ではその日の食べ物、お金すらない状態です。
投資したくても、「今日食う金にすら困ってるのにそんなことできるかっ!」となっているので、設備投資(せつびとうし)ができない状態。
となると、数で勝負するしかないのですが、「コーヒー豆だけで一国の経済を支えられるか?」といえば・・・。
コーヒーだけで生活。
無理っぽそうなのは、なんとなく想像できますよね(;´∀`)。
価格が保証されているフェアトレードのコーヒー豆もあるが弱い
ちなみに、「フェアトレード」といって、価格が輸入国に買いたたかれないように、一定の価格以下にしないことが保証されるコーヒー豆も、あります。
しかし、「コーヒー豆の価格が問題になる」ということは・・・。
「モノカルチャー経済」に、もろに当てはまることの何よりの証拠(しょうこ)ですよね。
大量に輸出したところで、1国の経済(GDP)を支えるには弱いことに変わりはありません。
モノカルチャー経済についてまとめ
モノカルチャー経済とは、「1つの産業の1つのものに依存しすぎている状態」を表します。
コーヒーであれば、コーヒーだけを(あるいはメインで)生産している状態。
モノカルチャー経済の問題点は4つ。
- 1つのものに依存しているので、環境に左右されやすい
- 国全体の産業が成長しない
- 環境にやさしくない
- 金銭面で、圧倒的に輸入国が有利になる
コーヒーを例に説明しましたが、上の4つの特徴がそのまま当てはまります。
実際に、アフリカにあるエチオピアのように、モノカルチャー経済状態になっている国もあるのです。
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